秒殺! 公務員試験「一般知能」超高速解法
第 14 号
これで楽勝! テキトーな数値設定法
≪水槽問題≫
水槽にA、B2つの蛇口から水をいれたところ3分間で水槽の1/4まで水がたまった。その後Bを閉じて15分間で満水となった。この水槽にAだけで10分間注水した後、Bも開くと注水開始から何分で満水になるか?
1.12分
2.13分
3.14分
4.15分
5.16分 (制限時間40秒)
まずイメージして下さい。
水槽があってそこにAB2つの蛇口があって・・・
mazu jibun de kanngaete ne! (^^)/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
★「超高速」の解法
水槽満水量を 60 とする!
60×1/4=15
15÷3=『5』 (A+B の1分当たり注水量)
60-15=45
45÷15=『3』 (A の1分当たり注水量)
60-(『3』×10)=30
30÷『5』=6
10+6=16 ≪正答5(16分)≫
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
★「超高速」の解説
まず、要点を整理してしっかり頭に入れます。
A+B 3分間 で 1/4
Aのみ 15分間 で 3/4
このようにまとめることによって、この問題は
・Aのみ1分間あたりどれだけ注水できるのか?
・Bのみ1分間あたりどれだけ注水できるのか?
がわかればほとんど解けたも同然!と答を出すまでの「流れ」を見通します。
で、ここで例えば「A1分間あたりの注水量」を出そうとして
3/4 ÷ 15
という式でスタートしてもよいのですが、なんか「分数」はやな感じ。
なるべく簡単な、できれば「整数」の「簡単な計算」の「式」を繋げるだけで「正答」が出せれば無常の喜び、我が幸せ。目指すは美しくも優しいバラ色の解法。
果たしてそんな夢のような(ちょっと大袈裟)解法があるのだろうか?
ふっふっふ、これがあるんです! その名は
楽勝!『 テキトーな数値設定法 』
これはどんな解法かというとその名の通り、自分で勝手に自分の好きな数字をまさに「テキトー」に設定して解いていくというドリーム解法(笑)なのだ!
ただ、「テキトー」は漢字で書けば「適当」、すなわち「其に当たって以って適する」のであって、出鱈目御免です。
じゃあ、何をどう「テキトー」に数値設定するのか、と言われれば、
それは、その問題で
1.「基準になっているもの」
をしっかり見極めて、
2.「最小公倍数っぽい数値」
に設定する、ということになります。
●では、「基準になっているもの」とは何でしょうか?
これはこの水槽問題でいえばA管とB管にとって「共通のもの」である「水槽満水量」となります。
この「満水量」を「基準」にして注水管の1分あたりの注水量が分数で「表現」されているところを意識して見て下さい。
実は、1/4とか3/4という分数はこの問題の作成者が「満水量全体」を「1」と自分で勝手に設定していることを表しています。
勝手にといっても大概はこの「1」は無意識的に設定されてます。
具体的な単位が出てこない量について分数表現がある場合はその基準になる全体量はほぼ間違いなく「1」と設定されています。
で、「1」という数字はともかく、この問題には「水量」について具体的な単位、例えば「リットル」などがでてこないことによって抽象性を帯び、ムズカシゲに感じます。
しかし、この「満水量1」に、例えばその「リットル」という単位をちょいと付けてやるだけで、
「満水量全体1」が「1リットル」、
「1/4」が「1/4リットル」、
「3/4」が「3/4リットル」
となって、とたんに具体的イメージが湧いてきませんか?
そして、さらにこの数字がこんな「分数」でなく簡単な「整数」だったとしたら、もっともっと易しく感じるはずです。
そこで、半ば強引にこの「整数の楽園」に持ち込んで解いてしまおう、というのが「テキトーな数値設定法」なのです。
では、「テキトー」にやっていきます。
まず、「1/4」と「3/4」を整数にするには分母をなくすために4倍します。
それにともなって「満水量1」も4倍してやると、
「満水量全体1」が「4リットル」、
「1/4」が「1リットル」、
「3/4」が「3リットル」
となってバラ色の「整数の世界」が見えてきます。
そしてこのまま「満水量」=「4リットル」として進んでいってもいいんですが、
この問題で「水量」以外のもうひとつの要素「時間(分)」の数値を見てみると「3分」と「15分」がありますね。
この問題を解くにあたっては当然この2つの時間も関係するので、先の「4リットル」の「4」にこの「3(分)」と「15(分)」も加味して「満水量」を数値設定することがより「超高速」に解くコツとなります。
そしてその設定のキーワードは「最小公倍数っぽさ」です。
ここでズバリ「最小公倍数」、と言い切らずに「っぽさ」とつけているところがミソなんですが・・・
つまりガチガチに連除法などできちんと「最小公倍数」を求めずとも大体それっぽく「倍数系」の数値に設定すればOKなのです。
このあたりが「テキトー」さです。
かっこつけて言えばフレキシビリティってやつですな。
実は、この「柔軟さ」が短時間勝負の分かれ目なんです。
そしてこの「テキトーさ(柔軟性)」が「超高速解法」のキモだったりします。
では、上の「4」と「3」と「15」の3つの数字共通の「倍数系」の数字を考えてみましょう。
ズバリ「最小公倍数」を求めれば「60」となりますし、なんとなぁく「テキトー」に「60」でも「120」でも「180」でもまったくかまいません。
「最小公倍数っぽい」数字ならよいのです。
ここでは「60」としましょうか、うん、「60」に決定!
さらに「単位」をつけて
「水槽の満水量 = 60リットル」
とすればあなただけの簡単で易しいバラ色の「整数の花園」が目の前に薫ってくるはずです。
●では最初からやってみましょう。
要点は
A+B 3分間 で 全体の1/4
Aのみ 15分間 で 全体の3/4
ですから
・全体「60リットル」の「1/4」は「15リットル」
これを3分間で入れるので 15÷3=5
つまりA、Bの2管だと「1分間に5リットル」注水できる。
・全体「60リットル」の「3/4」は「45リットル」
これを15分間なので 45÷15=3
つまりA管は「1分間に3リットル」の注水能力。
☆ここまで出しておいて次にいきます。
・A管を10分間開くので 3×10=30
つまり、すでに30リットル入ってる。
・全体は60リットルなので 残り30リットル(60-30=30)
・この残り30リットルをAとBの2管で入れる、つまり1分間に5リットルずつ入れるのでかかる時間は
30÷5=6(分)
・よって、満水になるまでの時間は
最初の10分とこの6分を合わせて16分 ≪答 16分≫
●上の解説の「式」だけを抜き出して書いてみます。
60×1/4=15
15÷3=5
60×3/4=45
45÷15=3
3×10=30
60-30=30
30÷5=6
10+6=16 答16分
●いかがでしょうか?
「満水量=60リットル」と設定したことによって
そのあとの計算が具体的なわかりやすいイメージを持って「答」まで繋がっていますね。
この「最小公倍数っぽい」数値に「テキトー」に設定する「感覚!」をしっかりつかんで下さい。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
●ただ、この問題ですぐに「60、120、180」という「60の倍数系」の数値がパッとひらめかない場合は、迷わず「1」の設定でやってもかまいません。
「系」を探すのに手間取って時間をロスするくらいなら、素早く「1」とおいて計算に入るのが得策です。
実は、「1」というのはある意味オールマイティな基本の数値なので、「分数計算」がめちゃ得意な人なら最初から無条件で「1」とおいてもOKです。
≪ 水槽満水量を「1」とおく方法 ≫
1×1/4=1/4
1/4÷3=1/12 (A+B 1分あたり)
1-1/4=3/4
3/4÷15=1/20 (A 1分あたり)
1-(1/20×10)=1/2
1/2÷1/12=6
10+6=16(分)
※この上の式の中の分数の「分母」に注目してみると「4」と「12」と「20」と「2」ですね。
そしてこの「分母」の最小公倍数が、な・な・なんと「60!」なんですね。
ふっふっふ、「テキトーな数値設定法」とは、実はちゃあんとここまで見越しておいての狼藉なのでござる。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
●結 論
問題において基準となる「全体の量」が具体的数字で与えられていない場合はそれを
★「最小公倍数っぽい数値」または「1」とおいて考える!
・「最小公倍数っぽい数値」なら整数での計算となり、
・「1」とおけば分数計算となる。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
●今回の「テキトーな数値設定法」は今回のような「水槽問題」や「仕事算」「ニュートン算」など利用範囲が広いのでぜひしっかり身に着けて下さい。(^^)/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
★「超高速解法」は単なるテクニックではなく、「比」や「算術」を中心にした「考え方、思考」の体系です。これをマスターすると一般知能問題の「見方・解き方」がまったく変わって素早く正解を『ピックアップ!』できるようになります。「方程式」が苦手で文章題が不得意な方でも「超高速!」の考え方をマスターすれば一挙に形勢逆転して得点源の得意科目に変身します。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞